アッシュ系グレージュカラーのヘアカラーのやり方を公開!元薬剤メーカー社員インストラクター(現美容師オーナー)がグレイジュヘアカラーの手順とレシピをお教えします。外国人風のヘアカラーは憧れますよね、しかし難易度が高いため失敗しがちです。参考までに見てみてください。
ファッションや流行は繰り返す!
美容業界に長く居ますと時代の変化と言いましょうか、ヘアカラーの変化の流れを感じます。そんな思いにふける今日この頃の私!
私の初期美容師時代(私の経歴=美容師→海外→メーカー社員→美容師兼オーナー+IT経営)はホワイトメッシュ全盛期です!アムラーやヤマンバスタイルがヘアスタイルやヘアカラーの流行を作っていましたね。
エクステもブームで、Wカラーにエクステして、美容代は10万~20万円かかっていたことを思い出します。その頃は人毛のエクステがあまりなくて、セット用の高級人毛ウィックを用いていましたね。
前日にブリーチしてカラーして仕込みを行い、お客様の希望色の髪にして、当日お客様をWカラーして仕込んでおいたエクステを付けて、ざっと「15万円です」って感じでしたね。バーバリーのマフラーをした高校生が、15万円程のお金を払っていたことを思い出します。
グレージュカラーの作り方 その1
さて本題。
グレージュの作り方でしたね!
【グレージュ手順】
・ブリーチ1.5回(私オリジナル!)
・金髪を計算したグレイを塗布(ここが肝‼)
・シャンプー台でマニキュアの入っていないカラートリートメント(HC染料と塩基性染料)
時間=カット込みで3時間(ショートの場合)
では実践!
まずは1.5回のブリーチを行います。
・根元から毛先までベタ付け
・根元の2~3cmが体温で明るくなります。(ネモ金状態)
・20分後にぷわぷわになった薬剤をコームで取り除きます。(シャンプーしません)
・中間~毛先がオレンジなので、ブリーチ薬剤を再度塗布!(根本はそのまま)
・20分放置
これが簡単ブリーチ1.5回のテクニック(-ω-)/
シャンプーして乾かしてブリーチしてたら時間がかかるからね!
2回ブリーチしていたら頭皮の負担も尋常ではないですよ!カラー前の事前シャンプーは駄目、頭皮の油をとってしまうと頭皮かぶれやブリーチ火傷の原因になります。頭皮保護剤の油を付けておきましょう!
【注意】あえてネモ金にしますが、結果的にはネモ金にはしませんので、ネモ金には気をつけて!( `ー´)ノ
ベースが綺麗な金髪になっていないとムラムラのカラーになってしまいます。根本から毛先にかけてはもちろん、中側と表面の色むらも注意が必要です!パーマの履歴や日常のブローやアイロンの程度によるダメージの確認をしっかりしましょう!
簡単で短時間の1.5回ブリーチです!
オレンジを越えて金髪~ホワイトゴールドまでブリーチしましょう!
さてここからが問題!
今の髪色は何色?
赤・青・黄の色素量を考えましょう。
それが理解できないと、次のティントで失敗します。
縦(明度) → 15LV
横(色相)+(彩度) → 白:黄色:オレンジ 4:5:1
白の割合が彩度を表現しているつもりです!
(私個人の脳内感覚)
・白はグレイを塗布したら=グレイ
・黄色は5の量分をV.S紫で相殺して=グレイ
・オレンジ1の量分をV.S青で相殺して=グレイ
って感じのイメージで薬剤をチョイスします!
【アッシュ系グレージュカラーの失敗パターン】
・緑色になる
・茶色になる
・紫色になる
何故失敗するのか?多くの原因は見極めです。
希望色=現在の髪色×カラー薬剤
現在の髪色を把握することと、カラー薬剤の色を把握することが求められます。
色の三原色を理解して色相環でお勉強しましょう!
光の三原色と色の三原色はちょっと違いますよね。
その効果も全く違い、光は光の色が重ねる程に明るくなり、最後は白くなりますが、色は重ねれば重ねるほどに暗くなります。小学生時の写生授業で水彩絵の具を使って、バケツで筆を洗ったことを思い出してください。そのバケツの水の色がグレイまたは茶色に変化していたことがあったと思います。それが今回の目的の色に近いかな?
補色の関係も理解しましょう!
真黄色の反対色は真紫として考えると=バケツの色(グレイ)が出来ていきます。
まぁそんな簡単ではないですが。
黄(イエロー)の髪に対して青(シアン)のカラー剤を塗布すると=緑になるのがわかりますね。
では現在のお客様の髪色は何色に近いですか?
イエローオレンジの髪色とホワイトゴールド(私のお客様)の色では希望するグレージュの色が同じでも、塗布する色は違ってきます。
【カラー薬剤の調合】
今回私がチョイスしたグレージュにするためのカラー剤は、REAL化学株式会社のMEIRY(メイリー)7GRと7Aです。
REAL化学株式会社さんのHP
REAL化学のグレイはぶれのないグレイなので安心です。メーカーによってはグレイの色も青かったり紫よりだったり様々です。研究者の腕とセンスが光る一品です。
お客様のブリーチ後の髪色がまだオレンジが少し残っていますので、オレンジの反対色の青みを足します。ここではアッシュの7Aを使用します。
比率は7GR:7A(2:1)でガンガン攻めます。
グレージュの仕上がりは?(加工は無しです)
塗布中はどんどん色が入っていきます。DRYで塗布するよりウェットで塗布してもいいですよ。
明度を上げる場合はドライでないと過酸化水素濃度が薄まりますので、思ったように明るくなりませんが、色を付けるトーンダウンの場合は水分量を考えて過酸化水素濃度を変えればいいでしょう。今回は3%でDRYヘアーに塗布しました。(攻めてますので( `ー´)ノ)
いい感じではないでしょうか。
夜の時間帯で光のゴマかしが出来ない状態での色味です。(明るい太陽光での写真は色味が飛んで灰褐色に見えますからね。)
カット込みの時間で仕上げまでして、かかった時間は3時間。
16時に来店されて、7時前にはお帰りになりました。
ブログで旅行記やゴルフばかり書いていましたが、最近お客様でグレージュの注文を頂くようになり、どうせなら私の過去の経験が若い美容師さんの参考になれればと思い、筆を執りました(-ω-)/
メーカー社員時代の講師の癖が抜けてなく、説明が授業のようになりましたがご了承ください。
ちなみに最後の施術はシャンプー台でトリートメントカラー(HC染料、塩基性染料)をちょっとだけ塗布しましたが、セット面で加温したらもっとGRAYになるでしょうね。
トリートメントカラーもメーカー社員時代に開発に携わっていましたので、その特性はよく知っていますが、最近はマニキュアを大量に配合入りの商品もありますのでお気をつけてください。毛先にマニキュアの色素が入り過ぎて抜けなくなる事例が多発しています。
【後書】
ブリーチでのベース作りでは、時間と塗布量の差が出てしまえれば不均一な仕上がりになってしまいます。手際の良さが必要だったり、息の合った助手が必要だったりしますが、完ぺきに塗布できたとしても、その後2ndカラーを塗布したらムラ染まりになる場合があります。
ムラ染まりになる理由は毛髪のダメージホールの大きさの違いです。
・新生毛と表面の髪と中の髪や毛先ではダメージ度が違い
・パーマやストレートや普段のアイロンの有無
・髪その物の強さの問題、ネープやフロント、トップ部分でも違い
目に見える明るさは同じで均一にブリーチしたとしても、ムラ染まりになる要素は拭い去れません。
解決方法は、あえてムラに染める事でしょう!簡単に言いますとローライト(グレージュ濃いめの色)を細かいメッシュやスライシングやバレージャージュで塗布することで、クリアできるのではないでしょうか。
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